寡婦年金と死亡一時金は、日本の国民年金の第1号被保険者が対象となる特別な給付制度です。ただし、これらはいずれか一方しか受け取ることができません。
寡婦年金は、老齢基礎年金の受給資格期間(10年以上)を満たしているが、それを受け取らずに死亡した夫がいる妻に対して支給されます。寡婦年金を受給できる条件は、夫との婚姻期間が10年以上であり、夫の死亡時に妻が65歳未満であることです。寡婦年金の受給期間は、妻が60歳から65歳に達するまでとなっています。なお、妻が自身の老齢基礎年金を早く受け取るために繰上げ受給を選んだ場合、寡婦年金の受給はできません。
一方、死亡一時金は、保険料の納付期間が合計3年以上で、年金(老齢基礎年金や障害基礎年金)を受け取らずに死亡した人の遺族が、遺族基礎年金を受け取ることができない場合に支給される制度です。支給対象となる遺族は、死亡者と生計をともにしていた配偶者、子、父母、祖父母、兄弟姉妹で、遺族基礎年金を受給できない人を指します。この制度は、年金の受給資格がない遺族への一時的な経済的支援を目的としています。
I. 寡婦年金と死亡一時金
- 国民年金第1号被保険者対象
- 二つの給付、同時受給不可
II. 寡婦年金
- 老齢基礎年金資格期間(10年以上)満たす夫が受給せず死亡した場合の妻への給付
- 資格:10年以上の婚姻期間、夫の死亡時に妻が65歳未満
- 受給期間:妻が60歳から65歳まで
- 注意:妻が老齢基礎年金を繰上げ受給した場合、寡婦年金は受給不可
III. 死亡一時金
- 保険料納付期間3年以上、年金受給せず死亡した人の遺族への給付
- 資格:死亡者と生計をともにしていた配偶者、子、父母、祖父母、兄弟姉妹で、遺族基礎年金を受給できない人
- 目的:年金の受給資格がない遺族への一時的な経済的支援
IV. まとめ
- 寡婦年金と死亡一時金、受給できるのは一方のみ
- 異なる条件下での重要な給付制度