特定非営利活動法人日本ファイナンシャル・プランナーズ協会が提唱するファイナンシャル・プランナーのコンピテンシーマップは、プロフェッショナルとしての能力を五つのカテゴリーに分けて体系化しています。このマップはファイナンシャル・プランナーの役割と必要なスキルセットを明確にするためのもので、各項目には具体的な能力や知識が明記されています。
まず「専門家としての責任」では、ファイナンシャル・プランナーが専門家として保持すべき倫理と行動原則、その専門性の維持、そして法規制等への準拠(コンプライアンス)について強調しています。
次に「コミュニケーション力」では、顧客相談時の対話力、情報を伝達するプレゼンテーションのスキル、そしてITを用いた情報伝達力が求められます。
「情報収集」では、顧客のライフプランやキャッシュフローの理解、時間の価値に関する知識、そしてファンダメンタルズや外部環境の認識が必要とされます。
「提案力」では、顧客に適したファイナンシャル・プランの策定とその見直し、またそれを実行するための支援が重要とされています。
最後に「マーケティング」では、自身のビジネスモデルの明確化、マーケティング活動、そしてネットワーキングの能力が求められます。
これらの要素は全てが重要であり、それぞれが相互に関連し合いながら、ファイナンシャル・プランナーとしての業務を円滑に進めるための基盤を形成しています。
ファイナンシャル・プランナーのコンピテンシーマップ
1. 専門家としての責任
専門家としての倫理や行動原則を持ち、自身の専門性を維持し、法規制等への準拠(コンプライアンス)を実現することが求められます。
- 専門家としての倫理・行動原則
- プロフェッショナルとしての基本的なマナーとエチケットを理解し守る
- 専門性の維持
- 常に学び続け、専門知識を更新し続ける
- コンプライアンス
- 法律、規則、規制に従い、適切な行動をとる
2. コミュニケーション力
顧客との対話、情報の伝達、そしてITを用いた情報伝達の能力が求められます。
- 顧客相談
- 顧客との対話能力、相手のニーズを理解する力
- プレゼンテーション
- 明確で分かりやすい情報伝達を行うためのスキル
- 情報技術(IT)
- ITを用いて効率的に情報を収集・伝達する能力
3. 情報収集
顧客のライフプランやキャッシュフローの理解、時間の価値に関する知識、そしてファンダメンタルズや外部環境の認識が求められます。
- 顧客のライフプラン、キャッシュフロー
- 顧客のライフプランを理解し、キャッシュフローを予測する能力
- 時間価値
- 金利やインフレーションの影響を理解し、適切な投資戦略を立案する
- ファンダメンタルズ、外部環境
- 経済、金融、社会の状況を把握し、それらを顧客のプラン作成に反映する
4. 提案力
ファイナンシャル・プランの策定とその見直し、そしてそれを実行するための支援が重要です。
- ファイナンシャル・プランの検討と作成
- 顧客のニーズに合わせたファイナンシャル・プランを作成する
- ファイナンシャルプランの実行の支援
- 顧客がプランを実行できるように適切な支援を提供する
- ファイナンシャル・プランの見直し
- 状況の変化に応じてプランを見直し、更新する
5. マーケティング
自身のビジネスモデルの明確化、マーケティング活動、そしてネットワーキングの能力が求められます。
- ビジネスモデルの明確化
- 自身のサービス内容や価値提案を明確にし、それを適切に市場に伝える
- マーケティング
- 自身のサービスを適切な顧客層に対して宣伝・販売する能力
- ネットワーキング
- ビジネス上のつながりを作り、関係性を維持し、それをビジネスの成長に活かす
以上の5つの領域がファイナンシャル・プランナーとしてのコンピテンシーマップとなります。これら全てが重要で、それぞれが相互に関連し合い、ファイナンシャル・プランナーとしての業務を円滑に進めるための基盤となります。