「ねえ、聞いた？入管施設で亡くなったスリランカ人女性の映像が話題になってるんだって。」
「ああ、それは知ってる。齋藤法務大臣が、原告側が勝手に編集した映像だって言っていたよね。」
実はこの話題、かなり重要な問題を提起しています。名古屋出入国在留管理局の施設で収容されていたスリランカ人のウィシュマ・サンダマリさんが体調不良を訴えて亡くなりました。遺族は「必要な医療を提供しなかった」などとして、国に賠償を求める訴えを起こしています。国側は「対応は違法ではない」として訴えを退けるよう求めています。
遺族の弁護団が報道機関に公開したのは、収容中のウィシュマさんの様子を写したおよそ5時間分の映像のうち、5分間ほどです。齋藤法務大臣は、「原告側が勝手に編集してマスコミに提供して公開したものだ」と指摘しました。しかし、遺族と弁護団は、現在国会に提出されている外国人の収容のあり方を見直す出入国管理法などの改正案に触れ、「収容制度のあり方を適切に議論するためには、収容の実態を知ってもらう必要がある」と主張しています。
おおよそ5時間分の映像は、遺族側の求めで今年6月に法廷で流される予定ですが、今回先行して一部を公開したことについても議論が起きています。
この問題は、収容制度の在り方や、出入国管理法の改正案など、今後の外国人収容に関する議論にも影響を与えるでしょう。我々も、この問題について真剣に考えるべきだと思います。
