「こんにちは、アリス!最近ビットコインがまた価格上昇しているね。なんでだろう?」
「そうなんだよ、ボブ。実は仮想通貨市場全体の中で、ビットコインが資金を集めているんだ。ビットコインは2022年末比で7割以上上昇していて、仮想通貨全体の時価総額に占める割合も9カ月ぶりの水準だよ。」
「へー、でも他の仮想通貨も上がっているんじゃないの?」
「実はそうでもなくて、ビットコイン以外の仮想通貨は、時価総額2位のイーサリアムが5割高、バイナンスが発行する4位のBNBは3割高にとどまっているんだ。」
「なるほどね。でも、どうしてビットコインに資金が集まっているんだろう?」
「ビットコインに資金が集まるのは、決済に特化し裏付け資産が不要である特性が投資家に評価されているからだよ。さらに、米証券取引委員会(SEC)が他の仮想通貨のステーキングを問題視していることも影響しているんだ。」
「ステーキングって何?」
「ステーキングとは、保有量に応じて新たな通貨が割り当てられる仕組みのことで、株式や債券の配当に似ているんだ。しかし、ビットコインではステーキングはできないよ。」
「そうなんだ。じゃあ、SECがステーキングに問題があると思っているのはどうして?」
「SECは、ステーキングのサービスを証券の提供とみなし、当局への登録が必要だと考えているんだ。実際に、クラーケンという大手交換所が無登録でステーキングの代行サービスを実施したとして提訴されたことがあるよ。」
「ほんとうに?それで、ビットコインはどうなの?」
「ビットコインはステーキングができないから、SECの規制から逃れられる可能性があるんだ。だから、投資家たちはビットコインに資金を集めているんだよ。さらに、米シリコンバレーバンク(SVB)など中小銀行の経営破綻も、ビットコインの価格を押し上げる要因となっているんだ。」
「え、銀行の経営破綻がビットコインに影響するの?」
「そうなんだ。ビットコインの価値は、ブロックチェーンによる発行・管理の仕組みに対する信用に基づいているから、金融機関の関与が必要なステーブルコインに比べ、資産の価値が毀損しにくいとされているんだ。」
「なるほど。じゃあ、ステーブルコインってどうなっているの?」
「ステーブルコインは、テザーやUSDコイン(USDC)などが有名で、流通時に価値の裏付けとなる資産が必要だよ。中小銀行がこうした資産の預託を引き受けていたんだけど、SVBの経営破綻により、USDCの裏付け資産の保全が不透明になり、価格が急落したんだ。」
「へー、それでビットコインがさらに注目されるわけだね。」
「その通り。ただ、ビットコインは短期的な値動きによる利益確保を狙った投資マネーの存在感も大きいから、価格変動のリスクが高まりそうだよ。」
まとめ:
仮想通貨市場では、ビットコインが資金を集め、価格が上昇しています。ビットコインの決済に特化した特性や、取引規制から逃れられる可能性が投資家に評価されています。また、ステーブルコインの価格急落や、金融機関の経営破綻もビットコインの価格上昇に影響しています。しかし、ビットコインには短期的な値動きによる利益確保を狙った投資マネーの存在感が大きいため、価格変動のリスクが高まる可能性があります。