2025年4月15日に発表されたドイツおよびユーロ圏の経済指標は、市場の予想を大きく裏切る結果となりました。
特にドイツのZEW景況感指数は前月比で大幅に悪化し、投資家心理の悪化を示しています。一方で、ユーロ圏全体では鉱工業生産が予想を上回る伸びを記録しており、地域間でのばらつきが際立つ結果となりました。
🗂️ 経済指標の発表内容(2025年4月15日)
📊 ドイツおよびユーロ圏 経済指標(2025年4月15日 18:00発表)
時間 | 指標名 | 前回ドル円変動幅 | 前回(改定) | 予想 | 結果 |
---|---|---|---|---|---|
18:00 | ドイツ・ZEW景況感指数(04月) | -7.3pips | 51.6 | 10.5 | -14.0 |
18:00 | ユーロ・ZEW景況感指数(04月) | -7.3pips | 39.8 | 10.5 | -18.5 |
18:00 | ユーロ・鉱工業生産指数(02月)[前月比] | -4.7pips | 0.8%(0.6%) | -0.5% | 1.1% |
18:00 | ユーロ・鉱工業生産指数(02月)[前年比] | -4.7pips | 0.0%(-0.5%) | -1.3% | 1.2% |
💬 ZEW景況感指数:まさかのマイナス転落
ドイツの4月ZEW景況感指数は、前月の51.6から-14.0へと急落。
これは投資家や金融関係者の期待感が一気に冷え込んだことを意味します。
❗ 海外メディア(Bloomberg等)もこの下落に注目
「米国の不透明な貿易政策と、トランプ大統領による相互関税政策の影響が懸念材料になっている」と報じています。
また、現況指数も依然としてマイナス圏にあり、ドイツ経済の先行き不透明感が強まった形です。
🏭 ユーロ圏鉱工業生産:明るいサプライズ
一方、ユーロ圏全体の鉱工業生産(2月)は、**前月比+1.1%、前年比+1.2%**と、いずれも市場予想を上回る結果に。
- 非耐久消費財の需要増加が主因。
- フランスやスペインでは生産回復が確認された一方で、
- ドイツは引き続きマイナス圏にとどまっており、地域差が明確になっています。
💡 欧州の一部では回復の兆しがあるものの、ドイツの低迷が足を引っ張る構図が続きそうです。
📉 チャートで見る市場の反応
📊 DAX指数(ドイツ株価指数)
ZEW指数発表直後、DAXは一時売りが加速。やや戻す場面もありましたが、不安定な展開が続いています。

💱 ユーロ/円(EUR/JPY)
ユーロ円は指標発表直後に売り優勢となったものの、鉱工業生産の好結果が支えとなり、162円前後で下げ止まりました。

🔍 総括:ドイツの「孤立型景気後退」に警戒感
- ドイツの景況感急落とユーロ圏全体の回復傾向という対照的な構図が浮き彫りに。
- 今後は、米国の貿易政策や中国・欧州との関係改善が鍵となりそうです。
- 市場は「ドイツの不振がユーロ圏全体に波及するか」に注視しており、慎重な相場展開が続く可能性があります。
📌 次回注目ポイント
- 4月末発表予定のドイツGDP速報値
- ECBの金利スタンス変化の有無
引き続き、FPTRENDYでは各国の経済データと市場反応を迅速にレポートしていきます📈