筆者はテレ東BIZ『モーサテ(Newsモーニングサテライト)』のファンですが、モーサテで新たに始まった注目のコーナー「グローバルアウトルック」。
世界の経済ニュースを深く掘り下げ、マーケットの本質に迫るこの企画は、投資家やビジネスパーソンにとって貴重な情報源となりそうです。
4月14日(月曜日)は日本経済新聞社 客員編集委員の滝田洋一氏が登場。長年にわたりマクロ経済の分析で知られ、『ワールドビジネスサテライト』のキャスター経験もある同氏による解説は、複雑な経済情勢を丁寧にひもとくもので、新しい週にふさわしく、とても勉強になる内容でした。
📰 滝田氏が読み解く「世界を揺るがすトランプ関税の衝撃」
📌 トランプ関税砲 振り回される世界
冒頭では、トランプ氏の行動原理として「勝利の3つのルール」が紹介されました:
- 攻撃、攻撃、攻撃
- 非を絶対に認めるな
- 勝利を主張し続けろ
この姿勢は外交・経済政策にも通じており、トランプ政権の強硬な関税政策が世界を翻弄している現状を浮き彫りにしました。
🎙️ バンス演説にトランプ氏の狙いが…
続いて紹介されたのは、バンス米副大統領の演説内容。
米政権の内側では、以下のような二つの潮流が存在すると指摘します:
テクノロジー楽観主義(シリコンバレー) | ポピュリスト(白人労働者層) |
---|---|
・イノベーション促進 | ・関税導入 |
・エネルギー価格の低下 | ・不法移民の排除 |
→ 企業競争力の強化 | → 労働価値の向上 |
これらは対立しているようでいて、実は「製造業の復活」という共通目標でつながっているのがポイントです。
🛢️ 原油安は“棚ぼた”か?
4月上旬にかけて、ニューヨーク原油先物価格が急落。
この動きの背景にもトランプ政権の政策があるとされ、日本にとっては「棚からぼた餅」のような形でエネルギー価格が低下する恩恵がもたらされたといいます。
🇨🇳 中国のデフレと輸出攻勢、日本への影響は?
中国はアメリカとの貿易対立で対米輸出が減速し、国内はデフレ傾向に。
その対抗策として、アジア諸国への輸出を拡大する戦略をとっています。
一方、日本はこの流れによって:
- 中国からの輸入圧力が増加
- 東南アジア市場での競争が激化
- → 国内景気への下押し圧力に
といった影響が懸念されています。
💰 インフレで政府が得をする?
最後の話題は、日本銀行の資金循環統計。
インフレが進行する中で、2024年の統計では政府の収支が黒字化したことが確認されました。これは歴史的にも珍しい現象です。
インフレ下では政府の税収が膨らみやすくなるため、財政面で潤うという構造が浮かび上がります。
✍️ おわりに
今回の滝田氏の解説は、トランプ政権の戦略と世界経済への波及効果を中心に、エネルギー・貿易・物価といった多角的な視点から構成されており、今後のマーケットを読むうえで非常に参考になりました。
「グローバルアウトルック」はこれからも、世界の経済情勢をタイムリーに伝えてくれるとのこと。
次回の解説も楽しみにしたいと思います。
テレ東BIZ「グローバルアウトルック」