【2026年5月16日】米金利上昇とAI半導体相場に警戒、NY株反落・ドル円160円視野

米金利上昇とAI半導体相場に警戒、NY株は反落しドル円は160円視野

15日のニューヨーク市場では、原油価格と金利の上昇を背景に主要株価指数がそろって下落した。米10年債利回りは4.6%前後とおよそ1年ぶりの水準まで上がり、年内の利下げ観測は後退している。AI・半導体関連ではキオクシアホールディングスの好決算やNVIDIA決算への期待がある一方、金利上昇や相場の過熱感がリスク要因として意識されている。

この記事のポイント:
米金利の上昇がNY株の重荷となり、ドル円は160円方向が意識されている。AI・半導体関連ではキオクシアの過去最高決算やNVIDIA決算への期待がある一方、金利上昇や過熱感、プライベートクレジットとの関係がリスク要因として注目されている。
米金利

米10年債利回りは4.6%前後まで上昇し、年内の利下げ観測は後退している。

為替

ドル円は158円台後半で推移し、来週は160円方向を試すとの見方がある。

AI・半導体

キオクシアは過去最高決算となり、来週20日のNVIDIA決算にも注目が集まる。

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米国金融政策・金利

米10年債利回りが4.6%前後、利下げ観測は後退

15日の米国市場では、金利上昇が最も大きな焦点となった。日本、欧州、米国で金利高の流れが続き、米10年債利回りは4.6%前後と、およそ1年ぶりの水準まで上昇した。

市場が織り込む12月時点の政策金利見通しでは、現在の水準から利下げされるとの見方はほぼゼロに近い。一方、利上げの織り込みはおよそ2割に及んでおり、インフレ警戒感が根強いことがうかがえる。

FRB新議長の仕事はインフレ対応になるとの見方が強まっており、金利の先高感が株式市場の重荷になっている。

米10年債利回り 4.6%前後
利下げ観測 ほぼゼロに近い
利上げ織り込み およそ2割

関税払い戻しとAI関連債務も金利上昇リスクに

米国では、トランプ関税の払い戻しが始まっているとの指摘がある。すでに国庫に入った資金を金利を付けて返す必要があり、代替財源も見えにくいことから、金利上昇要因になるとの見方がある。

AIが成長ドライバーになるとの見方は市場のメインシナリオになっているが、金利上昇は市場全体のリスク要因になり得る。特に、AI関連企業の債務の一部がプライベートクレジット市場と絡み合っていることから、金利上昇をきっかけにリスクが表面化する可能性が意識されている。ただし、金融システム全体に影響するほどではないとの見方もある。

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米国市場・商品

ダウ、ナスダック、S&P500がそろって反落

15日のニューヨーク株式市場では、主要株価指数がそろって下落した。ダウ平均は反落して4万9526ドル、ナスダック総合指数は3日ぶりに反落して2万6225、S&P500種株価指数も反落して7408で取引を終えた。

金利の先高感が嫌気され、株価は終日軟調に推移した。NVIDIAやインテル、マイクロン・テクノロジーなど半導体関連が大きく下げたほか、前日に新規上場した新興半導体企業セレブラス・システムズの株価も急落した。一部ヘッジファンドによる投資が明らかになったMicrosoftを除き、大手ハイテク企業の株価は総じて下げた。

ナスダックとS&P500は連日で最高値を更新していたため、金利上昇が利益確定売りを誘った面もあるとみられている。

ダウ平均 4万9526ドル
ナスダック総合指数 2万6225
S&P500 7408
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為替・円相場

ドル円は158円台後半、来週は160円方向を試すとの見方

ドル円相場は158円台後半で推移した。来週のドル円相場については、157円台半ばから160円台半ばのレンジが想定されている。

米中首脳会談で大きなサプライズがなかったことに加え、原油価格と金利が高止まりしているため、円安というよりドル高が進み、ドル円は160円を目指す展開がメインシナリオになるとの見方がある。

為替介入の効果は薄れつつあるとの指摘もある。157円が介入ラインとして意識された局面はあったものの、現在はそれを超えて円安方向に動いており、投機的な動きだけではなく、円が売られやすい地合いが続いている可能性がある。

足元のドル円 158円台後半
来週の想定レンジ 157円台半ばから160円台半ば
焦点 160円方向
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地政学・米中関係

米中首脳会談後、台湾への武器売却判断が焦点に

中国・北京での米中首脳会談を終え、トランプ大統領はホワイトハウスに戻った。焦点の一つとなっているのは、台湾への武器売却をめぐる判断だ。

現在、台湾への140億ドル、およそ2兆円規模の武器売却手続きの扱いが焦点となっている。トランプ大統領は、承認する可能性も承認しない可能性もあるとして明言を避けたうえで、近いうちに決断すると述べている。台湾の頼清徳総統と協議する必要があるとの考えも示した。

台湾への武器売却をめぐっては、米国では中国と事前協議しないという原則がある。中国との協議に踏み込めば、この原則が揺らぎ、不透明感が高まる可能性がある。

台湾向け武器売却 140億ドル
円換算規模 およそ2兆円
焦点 近いうちに決断

中国は米国世論を意識、貿易分野では購入カードも

米中首脳会談では、貿易分野の成果も示された。中国が大豆や牛肉のほか、ボーイングの航空機を200機、最大で750機購入することが明らかにされた。

中国側は、トランプ大統領に訪中の成果を持たせることで、台湾問題をめぐる米国側の譲歩や慎重な判断を引き出す狙いがあるとみられている。大豆、牛肉、航空機の大量購入については、米国側の出方を見ながら購入規模やタイミングを調整する余地が残されている。

今後は9月の会談機会に加え、11月のAPEC首脳会議、12月のG20サミットなど、年内に少なくとも複数回の米中対話の機会がある。日本を含む周辺国がどのように対応するかも重要になる。

ボーイング航空機 200機
最大購入規模 750機
年内対話 少なくとも複数回
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米国経済指標・企業金融

ニューヨーク連銀製造業景気指数は19.6、市場予想を上回る

ニューヨーク連銀製造業景気指数は19.6となり、前月から上昇した。市場予想を上回り、高い水準となった。

項目別では、新規受注と在庫が上昇した。物価高を背景に支払い価格も11.6ポイント上昇した一方、雇用指数は1.5ポイント低下したものの、プラス圏を維持した。

景気指数 19.6
支払い価格 11.6ポイント上昇
雇用 8.3(1.5ポイント低下)

スペースX上場計画とアルファベットの円建て社債にも注目

イーロン・マスク氏率いる米宇宙関連企業スペースXは、早ければ6月11日にもIPO価格を決定し、6月12日のナスダック市場上場を目指すと報じられている。調達額は約750億ドル、評価額は約1兆7500億ドル、およそ276兆円規模に上る過去最大級のIPOを目指している。

Googleの親会社アルファベットは、円建て社債の発行条件を決めた。3年物から40年物まで発行額は合わせて5765億円に上り、海外企業の円建て債として過去最大規模となった。アルファベットが円建て社債を発行するのは初めてである。

スペースX調達額 約750億ドル
スペースX時価総額 約1兆7500億ドル
アルファベット円建て社債 5765億円
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AI・半導体関連

キオクシアは過去最高決算、純利益は約2倍の5544億円

キオクシアホールディングスが発表した今年3月までの1年間の業績は、売上高が前の年から37%増えた。純利益はおよそ2倍の5544億円となり、いずれも過去最高を更新した。

利益拡大の背景には、メモリー単価の上昇がある。単価が前四半期比で2倍以上になったことが利益を押し上げたとみられている。数量の増加よりも単価上昇の方が利益への貢献度が高く、需給逼迫が決算に表れた形だ。

市場の関心は今後の業績に向かっている。4月から6月までの3カ月間の純利益は8690億円の予想で、前年の47倍超に拡大する見通しだ。

売上高 前の年から37%増
純利益 5544億円
4月から6月の純利益予想 8690億円

AI推論需要がNANDメモリー需要を押し上げる可能性

AI向けメモリー需要では、これまで学習向けにHBMがよく使われてきた。一方、推論が増えてきたことで、一定容量を持つメモリーの需要も高まり、フラッシュNANDメモリー需要が増えている可能性がある。

2026年は供給より需要が強い状況が続き、当面は需給逼迫によって高い単価が続くとの見方がある。キオクシアの株価は決算発表前の取引では下落して終えたが、好決算と市場予想を上回る見通しを受け、投資家の目線が切り上がる可能性がある。

ソフトバンクGは過去最高益、AI投資の成果が意識される

ソフトバンクグループの今年3月までの1年間の純利益は、前の年のおよそ4.3倍となり、日本企業の通期決算として過去最高となった。AI相場の拡大を背景に、これまでの投資が成果につながっているとの見方がある。

アームやOpenAIなどの価値が意識されており、AI市場の拡大が続けば今後も期待できるとの見方がある。OpenAIとAnthropicの競争環境は話題になっているが、現時点では個別企業の勝敗よりもAI市場全体の拡大が重要とみられている。

純利益 前の年のおよそ4.3倍
位置づけ 日本企業の通期決算で過去最高
焦点 AI投資の成果

NVIDIA決算は20日、クラウド需要が焦点

来週20日には、AI半導体相場を牽引する米半導体大手NVIDIAが決算を発表する。注目点は、半導体需要がしっかり出ているかどうかである。

Googleのクラウド、MicrosoftのAzure、AmazonのAWSはいずれも売上の伸びが加速しており、NVIDIAの半導体需要も加速していてもおかしくないとの見方がある。AI半導体相場は直近で急ピッチに上昇しており、一服する場面はあり得るものの、企業が本格的にAIを使い始めている段階であり、関連半導体の需要はなお伸びる可能性がある。

一方で、市場の期待値は高い。仮にNVIDIAの決算が期待に届かなかった場合、市場全体への影響が警戒される。PER面では業績拡大もあり、必ずしも割高ではないとの見方があるが、AIデータセンターを安定稼働させるための電力、建設、材料などが今後のボトルネックとして注目される可能性がある。

決算発表 来週20日
焦点 半導体需要
リスク 市場の期待値
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日本株・国内市場

シカゴ日経平均先物は6万1825円、来週レンジは5万9500円から6万2500円

シカゴ日経平均先物は6万1825円となった。来週の日経平均株価の予想レンジは、5万9500円から6万2500円とされている。

国内企業の決算発表がほぼ一巡したため、材料難になるとの見方がある。米金利上昇が続くなか、AIや半導体関連の過熱感も意識され、上値を抑える要因になる可能性がある。

AI半導体相場は日本株にも大きく影響している。NVIDIAの時価総額は5兆ドル規模、円換算で800兆円前後の規模とされ、日本市場全体にも波及する存在感を持っている。キオクシアの急成長も、AI相場の強さを示す材料として意識されている。

シカゴ日経平均先物 6万1825円
来週の予想レンジ 5万9500円から6万2500円
NVIDIA時価総額 5兆ドル規模
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今日の主な予定

G7財務相・中央銀行総裁会議、GDP速報、FOMC議事要旨

来週18日から、G7財務相・中央銀行総裁会議がフランス・パリで開かれる。市場では、AIを使ったサイバー攻撃への対策が議題に上がるかが意識されている。

AIの分析能力を悪用したサイバーリスクは、金融当局や大手金融機関、民間企業にとって今年後半の大きなテーマになり得る。AnthropicのClaudeをめぐっては、高い分析能力によってAppleのパソコン「Mac」の基本ソフトの脆弱性を見抜いたとの報道もあり、各国の当局と民間企業がどのように連携するかが注目される。

19日には実質GDP速報値の発表、20日にはFOMC議事要旨の公表が予定されている。米国では19日に6つの州で中間選挙の予備選挙があり、ケンタッキー州第4区の結果がトランプ氏の影響力を測る材料になるとの見方がある。

18日から G7財務相・中央銀行総裁会議
19日 実質GDP速報値
20日 FOMC議事要旨
米金利 FRB NY株 ドル円 AI半導体 NVIDIA キオクシア ソフトバンクグループ 米中首脳会談 G7財務相会議
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この記事を書いた人

CFP®/1級ファイナンシャルプランニング技能士
公益社団法人 日本証券アナリスト協会認定
・プライマリー・プライベートバンカー
・資産形成コンサルタント
一般社団法人金融財政事情研究会認定
・NISA取引アドバイザー

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