2025年4月23日、富士フイルムホールディングス(4901)の株価が急騰した。同社が前日、米製薬大手リジェネロン・ファーマスーティカルズから総額30億ドル(約4200億円)に上るバイオ医薬品の受託製造契約を獲得したと発表。朝方から大口の買い注文が殺到し、株価は一時前日比13.22%高の3,030円まで上昇した。

📦 契約の概要と戦略的意義
項目 | 内容 |
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契約先 | 米リジェネロン・ファーマスーティカルズ |
事業内容 | バイオ医薬品(抗体医薬品)の受託製造(CDMO) |
受注額 | 約4200億円(10年間) |
製造拠点 | ノースカロライナ州(2025年10〜12月期稼働予定) |
特記事項 | 米国内生産で、医薬品への関税を回避可能に |
富士フイルムは医薬品製造事業の拡大を進めており、今回の契約はその布石の一つ。米国内での製造体制が整うことで、地政学リスクや通商リスクを乗り越えた安定供給が可能になる。
📊 株価の推移と市場の反応
時間帯 | 株価動向 |
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9:00~10:00 | 買い気配で寄り付き、急騰 |
10:00以降 | 高値圏で推移、やや利益確定売りが出る場面も |
現在(14:42時点) | 2938円(前日比 +9.79%) |
一時の急上昇後、午後にはやや売りが出たものの、市場全体では前向きな見方が支配的。とくに、関税の影響を回避できる国内生産モデルの評価は高い。
🧠 アナリストの評価
証券業界では「トランプ政権による医薬品関税導入が現実味を帯びるなか、米国での製造体制を先手で築いた点は極めて戦略的」と高評価。富士フイルムのスピード感ある対応力と、グローバル市場への順応性が改めて注目された。
✍ 編集部コメント
今回の急騰は、単なる好材料ではなく、富士フイルムの中長期的な成長性への期待を反映した動きとも言える。製造受託(CDMO)事業は、医薬品業界での競争力を左右する要素であり、今回の大型契約はその象徴的な成果となった。
午後以降はやや伸び悩む場面もあったが、一段高を期待する投資家心理は根強い。今後の追加契約や米国以外への展開にも注目が集まりそうだ。