野村HD、マッコーリー米子会社を約2500億円で買収|運用部門の世界戦略が加速

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日本の金融大手・野村ホールディングス(HD)が、オーストラリアのマッコーリー・グループの米国資産運用子会社を約2500億円で買収すると発表しました。今回の買収は、野村が掲げる「グローバル資産運用会社」への進化を象徴する一手となります。


目次

✅買収の概要と狙い

野村HDが買収するのは、豪マッコーリー・グループ傘下の米マッコーリー・マネジメント・ホールディングスと、一部欧州のアクティブ運用事業(株式5割・債券4割)です。

  • 買収額約2584億円(18億ドル)
  • 買収後の運用資産残高5900億ドル(約88.5兆円)から7700億ドル(約115.5兆円)へ増加
    (約1800億ドル=約27兆円の増加)
  • 目的:海外資産運用業務の強化、グローバルプレゼンスの拡大
  • CEOコメント(奥田健太郎氏):
     「成長領域である運用業務を強化し、長期的な企業価値向上を図る」

資産運用業務は、野村グループにとって今後の成長ドライバーの一つ。世界の年金・保険マネーを獲得するうえで、米国でのプレゼンス向上は不可欠でした。


🏢野村ホールディングスとは?

項目 内容
会社名 野村ホールディングス株式会社(Nomura Holdings, Inc.)
設立 1925年(野村證券として創業)
本社所在地 東京都中央区
主な事業 リテール証券、投資銀行、資産運用、リサーチ
海外展開 北米、欧州、アジアに拠点
特徴 国内証券最大手。運用業務を次の成長エンジンと位置付け中

野村は長年にわたり、国内の個人投資家向け証券ビジネスで確固たる地位を築いてきましたが、人口減少により日本市場が成熟化する中、海外事業の拡大が急務となっています。


🌍マッコーリー・グループとは?

項目 内容
会社名 マッコーリー・グループ(Macquarie Group Limited)
設立 1969年
本社 オーストラリア・シドニー
主な事業 インフラ投資、資産運用、投資銀行、コモディティ取引など
運用資産残高 約8000億ドル以上(世界屈指)
特徴 「世界最大のインフラ投資家」として知られる

マッコーリーは、積極的なインフラ投資と資産運用で国際的な地位を築いており、特に再生可能エネルギーや交通インフラ分野に強みを持っています。


🔍今後の注目ポイント

  • 野村の国際競争力
     米欧運用大手との競争に打ち勝てるか?
     → M&Aを起点とした統合戦略が試されます。特に米国でのETF・投信の商品開発、販売チャネルの拡充が焦点となりそうです。
  • 国内投資家への影響
     運用商品がグローバル化することで、個人向けの投資選択肢が増える可能性
  • マッコーリー側の動き
     売却は、マッコーリーが伝統的資産運用からプライベートアセットへの集中戦略を進める一環を進める一環です。背景には、安定収益よりも高リターンを狙えるオルタナティブ投資(不動産、インフラ、再生可能エネルギー等)への資本シフトがあります。

📌まとめ:日本の金融が世界と競う時代へ

野村ホールディングスによる今回の買収は、単なる事業拡大ではなく、「日本発のグローバル資産運用会社」というビジョンを実現する一歩です。
少子高齢化により成長余地の限られた日本市場から、世界のマネーを運用する時代へ──その本格的な幕開けを象徴する買収劇となりました。

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この記事を書いた人

CFP®/1級ファイナンシャルプランニング技能士
公益社団法人 日本証券アナリスト協会認定
・プライマリー・プライベートバンカー
・資産形成コンサルタント
一般社団法人金融財政事情研究会認定
・NISA取引アドバイザー

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