不動産は“目に見える安心資産”として、他の金融商品と比べても比較的安定したイメージがあります。
しかし、実際に所有してみると、**「思っていたのと違う…!」**という落とし穴が意外と多いのが現実です。
この章では、特に現物不動産投資にありがちな注意点や、見落とされがちなリスクを、具体例を交えながらご紹介します。
1. 表面利回りを信じすぎないで!「収益」の見かけに要注意
不動産の購入を検討する際、真っ先に目に入るのが「利回り」でしょう。
ただしこの利回り、特に「表面利回り」は、あくまで満室で運営できた場合の理想値であることを忘れてはいけません。
例えば、家賃が高めに設定されていたり、空室リスクを考慮していなかったり、修繕費・管理費・税金などのコストが抜けていたり……。
利回りの数字だけで飛びつくのではなく、
- 現在の入居状況
- 周辺の相場家賃
- 将来的な賃料下落リスク
- 実際の収支計算(ネット利回り)
をしっかり確認しておくことが重要です。
2. 遵法性や築年数が、売却時に“足かせ”に
「割安な掘り出し物だ!」と思って買った物件が、実は建築基準法に違反していたり、築年数が古すぎて融資が付かないということも。
特に注意したいのは以下のような物件です:
- 建ぺい率や容積率オーバー(違法建築)
- 接道義務を満たしていない(再建築不可)
- 木造で築20年以上(法定耐用年数超え)
こうした物件は、自分がキャッシュで買えたとしても、将来売却する際に「買える人が限られる=売りにくい」という状況に陥りやすいのです。
3. 修繕費用の予測は“甘く見積もらない”こと
建物は年数とともに必ず劣化します。
しかし、投資初心者ほど「今がキレイだから大丈夫」と思いがちです。
実際には、
- 給排水管やエレベーターなどの設備更新
- 屋上防水や外壁塗装
- 想定外の自然災害による破損
など、突発的かつ高額な修繕費がかかる場面も少なくありません。
最近では建築費の高騰も続いており、修繕にかかるコストも以前より上昇傾向にあります。
長期目線で“修繕積立”のシミュレーションをしておくことが不可欠です。
4. 管理費や積立金の「将来的な値上げ」も想定すべし
区分マンション投資では、管理費や修繕積立金の支払いが必要になりますが、注意すべきは将来的な値上げリスクです。
新築時は「安く見せる」ために積立金が低く設定されていることが多く、数年後に大幅な値上げが行われるケースもあります。
また、中古物件の場合でも、過去の修繕履歴や計画がしっかりしていないマンションでは、積立金が不足して将来の修繕ができなくなる恐れも。
事前に以下をチェックしておきましょう:
- 長期修繕計画の有無と内容
- 直近の大規模修繕履歴
- 修繕積立金の滞納状況
- 近年の値上げ履歴と今後の予定
まとめ:「現物不動産=安全」ではない。冷静な事前チェックが成功のカギ
現物不動産は確かに魅力的な投資先ですが、それだけに**“持ってから気づく落とし穴”も多い**のが現実です。
- 表面利回りに惑わされず、実質収支を試算する
- 法的リスクや築年リスクを見逃さない
- 長期保有を前提に、修繕や維持費も織り込む
- 区分所有なら管理組合の健全性も要チェック
これらの視点を持って物件を選ぶことで、長く安心して運用できる不動産投資が実現できるはずです。
次回(第5章)では、不動産投資の「未来を読む」視点として、今後の不動産市況にどう備えるか、戦略的な視点からのまとめをお届けします。
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