立体買換え特例の詳細解説

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立体買換え特例の詳細解説

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## はじめに

立体買換え特例は、譲渡所得の特例制度の一つであり、譲渡所得税を100%繰り延べることができます。この記事では、租税特別措置法第37条の5に規定される立体買換え特例の概要と、適用する際の注意点について解説します。

立体買換え特例(措法37条の5)の概要

立体買換え特例は、土地や建物の一部を等価で交換することにより、譲渡所得税を100%将来に繰り延べることができる制度です。具体的には、地主が土地の一部をデベロッパーに譲渡し、その代わりに建物の一部を取得することで、マンションを取得することができます。また、複数の地主がいる場合には、土地の一旦全部をデベロッパーに譲渡し、建物と土地の共有持分を取得することもあります。

立体買換え特例の適用には、以下の要件があります。

1. 取得するマンションの階数に注意

立体買換え特例を適用するためには、取得するマンションの地上階数が3以上である必要があります。ただし、通達によれば、中高層の耐火共同住宅に地上階数3以上の部分と地上階数3に満たない部分がある場合でも、全体として地上階数3以上の中高層の耐火共同住宅として扱われます。つまり、一棟の建物のうちに地上3階建て以上の部分があれば、地上2階建ての部分を取得しても立体買換え特例の適用が受けられます。ただし、単独でテラスハウスの1階や2階部分を取得した場合は、特例の要件を満たさないことになります。

2. 減価償却費の計算に注意

立体買換えにより取得したマンションの場合、譲渡した土地の取得費を建物の取得費として引き継ぐことになります。そのため、マンションの取得費は建築費の一部であり、減価償却費も通常のマンションの50%しか計上できません。したがって、立体買換えにより取得したマンションを賃貸する場合、減価償却費が通常よりも少なくなるため、毎年の不動産所得が増加し、所得税や住民税の負担が増えることに注意が必要です。

立体買換え特例の適用要件のポイント

立体買換え特例の適用要件には以下のポイントがあります。

1. 特例対象となる譲渡資産・買換資産

立体買換え特例は、土地や建物の一部を譲渡する場合に適用されます。具体的な譲渡資産や買換資産は、法律や通達によって定められています。

2. 買換資産の取得時期

立体買換え特例を適用するためには、買換資産を譲渡資産の取得日から1年以内に取得する必要があります。また、譲渡資産を取得した年の12月31日までに取得し、その後1年以内に個人の事業用や居住用に使用する場合にも特例を適用することができます。

立体買換え特例を適用する際の注意点

立体買換え特例を適用する際には、以下の注意点があります。

1. 資産の使用目的に注意

立体買換え特例は、個人の事業用や居住用の資産に適用されます。そのため、譲渡資産や買換資産の使用目的が個人の事業用や居住用であることが必要です。

2. 特例対象外の資産に注意

立体買換え特例は、特定の資産に適用されますが、一部の資産には適用されない場合があります。特に、在庫資産に該当する土地などは特例の対象外となりますので、注意が必要です。

3. 期限内に取得する必要がある

立体買換え特例を適用するためには、買換資産を譲渡資産の取得日から1年以内に取得する必要があります。期限を過ぎると特例の適用はできなくなりますので、期限内に取得するようにしましょう。

4. 法律や通達の確認が重要

立体買換え特例は、法律や通達によって詳細な条件が定められています。特例を適用する際には、最新の法律や通達を確認し、条件を満たしているかどうかを確認することが重要です。

まとめ

立体買換え特例は、譲渡所得税を100%将来に繰り延べることができる特例制度です。特例を適用するためには、特定の要件を満たす必要があります。また、特例を適用する際には、資産の使用目的や期限、法律や通達の確認が重要です。立体買換え特例を活用することで、効果的な税務対策を行うことができます。是非、この特例制度を活用してみてください。

【Additional Information】 立体買換え特例とは、土地や建物の一部を等価で交換することにより、譲渡所得税を100%将来に繰り延べることができる特例制度です。この制度を利用することで、譲渡所得税の負担を軽減することができます。立体買換え特例の適用には、特定の要件を満たす必要がありますので、詳細な条件を把握し、適切な税務対策を行うことが重要です。