宅地造成等規制法について

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宅地造成等規制法について

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宅地造成等規制法(以下、「規制法」と言います)は、宅地造成工事による災害予防を目的とした法律です。本記事では、その詳細について解説します。

1. 規制法の目的

規制法は、宅地造成工事による「がけ崩れ」や「土砂の流出」などの災害を防止することを目的としています。これにより、人々の生命や財産を保護することを目的としています。

2. 宅地造成工事規制区域

規制法に基づき、特に災害のリスクが高い地域を「宅地造成工事規制区域」(以下、「規制区域」と言います)として指定します。規制区域内では、宅地造成工事を行う際には特定の許可が必要となります。

3. 規制法の適用対象

規制法の適用対象は、宅地造成工事です。具体的には、住宅、工場、倉庫、資材置場等の敷地造成や土取り工事、残土処理工事、擁壁設置工事などが該当します。

4. 宅地造成工事の許可

規制区域内で宅地造成工事を行う際には、事前に知事(指定都市、中核市、特例市、事務処理市にある区域はそれぞれの市長)からの許可が必要となります。許可が必要な工事は次の通りです。

  • 切土部で2mを超える崖を生じる工事
  • 盛土部で1mを超える崖を生じる工事
  • 切土と盛土を行う場合で、2mを超える崖を生じる工事
  • 切土又は盛土をする場合で、その土地の面積が500平方メートルを超える工事

5. 宅地の安全性確保

規制区域内の宅地の所有者や管理者は、宅地造成により災害が発生しないよう、宅地を常に安全な状態に保つ義務があります。危険であると判断された場合には、擁壁や排水施設などを改善するよう勧告や命令を受けることがあります。

6. 造成宅地防災区域

造成宅地防災区域とは、宅地造成工事規制区域外でも規制が必要な区域を言います。災害が生じるおそれの大きい一団の造成宅地を「造成宅地防災区域」として指定し、この区域内の宅地の所有者や管理者は、災害防止のために必要な擁壁の設置等の改善命令を受けることがあります。

7. 宅地造成工事の制限

宅地造成中の宅地や、工事完了検査を受けていない宅地、検査に合格していない宅地は、建築物等を建てる等、宅地としての使用が制限されます。

8. 宅地造成の技術基準

規制法では、宅地造成に関する技術基準を設けています。これにより、安全な宅地造成と災害に強いまちづくりを進めることを目指しています。

9. 宅地造成等規制法の適用除外

一部の工事については、規制法の適用が除外されています。具体的には、建築物の建築自体と不可分な一体の工事と認められる基礎打ち、土地の掘削等の行為が該当します。

10. 宅地造成工事の手続き

宅地造成工事を行う際の手続きについては、都道府県知事等からの許可や届出が必要となります。具体的な手続き方法や必要な書類については、各都道府県庁や市役所等で確認できます。

以上が、宅地造成等規制法についての概要です。宅地造成工事を行う際には、必ずこれらの規定を遵守し、安全な宅地造成を行いましょう。