不動産鑑定評価による価格の種類
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不動産の価格は、売り手と買い手の事情によって大きく異なるものです。売り手はできるだけ高く売りたいと考える一方、買い手はできるだけ安く買いたいと思うのは当然のことです。お互いが安心して取引を行うためには、不動産の適正価格を知ることが重要です。不動産の適正価格を知るためには、不動産鑑定士による不動産の評価が必要です。この評価を「鑑定評価」と呼びます。そして、不動産の鑑定評価には4つの価格の種類があります。「正常価格」「限定価格」「特定価格」「特殊価格」です。
正常価格
正常価格とは、売り手と買い手に特別な事情がない状態で双方が納得した価格です。この価格は一般的な市場価値を反映しています。
限定価格
限定価格とは、取引市場が限定されている場合に適用される価格です。例えば、隣接地の併合や借地権者が土地を買う場合などが該当します。この価格は当事者間で適正な価格を決める必要があります。
特定価格
特定価格とは、法令による社会的要請がある場合に適用される価格です。例えば、倒産や自己破産によって財産処分される場合などが該当します。この価格は法令に基づいて算出されます。
特殊価格
特殊価格とは、一般的に売買が想定されていない不動産の価格です。例えば、文化財などが該当します。この価格は特殊な価値や需要を考慮して算出されます。
不動産評価の方法
不動産の評価には主に3つの方法があります。「原価法」「取引事例比較法」「収益還元法」です。これらの方法を適切に併用することで、より正確な価格を算出することが可能です。
原価法
原価法は、同じ建物を新しく建てた場合にかかる費用を基に不動産の価格を算出する方法です。建物の材料費や建築費を算出し、築年数による価値の低下を考慮して価格を決定します。原価法は主に建物の評価に使用され、土地の価格算出にはあまり使用されません。
取引事例比較法
取引事例比較法は、過去の似た条件の取引事例を基に不動産の価格を算出する方法です。地域や特性に応じて比較を行い、タイムラグがある場合は時点修正を行います。この方法で算出された価格は比準価格と呼ばれます。
収益還元法
収益還元法は、不動産が将来得られるであろう純収益の現在価値を算出し、不動産の価格を決定する方法です。主に賃貸不動産や事業用不動産の価格算出に使用されます。収益還元法には「直接還元法」と「DCF法」の2種類があります。
直接還元法
直接還元法は、対象不動産が得られる一定期間の純収益を還元利回りで割り、収益還元価格を算出する方法です。一般的に1年間の純収益を基準として使用します。
DCF法
DCF法は、対象不動産が将来得られる純収益と、期間満了後に予想される売却価格を算出し、現在の価値に計算し直して合算します。この方法は不動産投資などでよく使用されます。
物件の参考価格を調べる
不動産の売買を行う際には、適正価格を把握することが重要です。不動産鑑定士はさまざまな事情を考慮して価格を評価しますが、最終的な売買価格は売り手と買い手が合意することになります。このため、売買を行う際には適正価格を参考にして値段交渉を行うことが大切です。
物件の参考価格を調べる方法としては、不動産の売買情報を調べることがあります。不動産ポータルサイトや不動産会社のウェブサイトなどで、同じエリアや同じ条件の物件を調べることができます。また、不動産鑑定士に相談することも有効です。鑑定士は市場の動向や詳細な情報を持っており、適正価格をより正確に評価することができます。
適正価格を把握することは、不動産の売買において重要な要素です。物件の参考価格を調べることで、より適正な価格交渉ができるようになります。
物件の参考価格を調べる方法
物件の参考価格を調べる方法としては、以下のような手段があります。
不動産ポータルサイト
不動産ポータルサイトは、多くの物件情報を提供しています。エリアや条件に合わせて物件を検索し、価格を調べることができます。また、過去の取引価格や相場情報も参考にすることができます。
不動産会社のウェブサイト
不動産会社のウェブサイトも物件情報を提供しています。地域に特化した情報や専門的な知識を持っていることが多いため、参考になるでしょう。
不動産鑑定士に相談
不動産鑑定士に相談することも有効です。鑑定士は市場の動向や詳細な情報を持っており、適正価格をより正確に評価することができます。鑑定士に依頼する場合は、信頼できる専門家を選ぶことが重要です。
まとめ
不動産の価格には「正常価格」「限定価格」「特定価格」「特殊価格」という4つの種類があります。売買の際には、不動産鑑定士による評価や適正価格の把握が重要です。不動産の評価には「原価法」「取引事例比較法」「収益還元法」の3つの方法があり、それぞれの特徴を理解することが大切です。物件の参考価格を調べる方法としては、不動産ポータルサイトや不動産会社のウェブサイトを活用することができます。また、不動産鑑定士に相談することも有効です。適正価格を把握することは、不動産の売買において重要な要素です。