住宅瑕疵担保履行法とは?

不動産

住宅瑕疵担保履行法は、新築住宅の売主や建設工事の請負人が、住宅の品質確保の促進等に関する法律(住宅品確法)に基づき、住宅の主要構造部分の瑕疵(欠陥)について、10年間の瑕疵担保責任を負うことを規定しています。

この法律は、2007年に制定され、新築住宅の売主等が経営破綻した場合でも、住宅購入者の利益を保護するために、「保険加入」または「保証金の供託」が義務づけられました。これにより、住宅に欠陥があった場合でも、売主等の資力(支払能力)が確保され、住宅購入者は欠陥の補修等を請求することが可能となります。

「瑕疵」とは?

「瑕疵」は、本来あるべき、もしくは備えられているべき機能や性能要件が満たされていない欠陥を指します。住宅瑕疵担保履行法では、特に構造耐力上主要な部分と雨水の浸入を防止する部分の欠陥を指しています。

具体的には、構造耐力上主要な部分とは、住宅の基礎、基礎ぐい、壁、柱、小屋組、土台、斜材、床版、屋根版又は横架材で、住宅の自重や積載荷重、積雪、風圧、土圧、水圧、地震その他の震動や衝撃を支える部分を指します。

また、雨水の浸入を防止する部分とは、住宅の屋根や外壁、屋根や外壁の開口部に設ける戸、わくその他の建具、雨水を排除するために住宅に設ける排水管のうち、住宅の屋根や外壁の内部や屋内にある部分を指します。

これらの部分は、住宅として使用するにあたって重要であり、通常は10年程度の期間で劣化し不具合が発生することが想定できないため、特に保護の対象とされています。

まとめ

住宅瑕疵担保履行法は、新築住宅の購入者を保護するための法律です。この法律により、新築住宅に瑕疵が見つかった場合でも、消費者は修繕費用を確保することができます。保険制度と供託制度の2つの制度を通じて、消費者の権利が保護されています。

住宅瑕疵担保履行法における「保険制度」と「供託制度」

住宅瑕疵担保履行法では、新築住宅の売主等に対して、「保険加入」または「保証金の供託」が義務付けられています。これらの制度は、売主等が経営破綻した場合でも、住宅購入者の利益を保護するためのものです。

保険制度とは

保険制度は、新築住宅に瑕疵があった場合に、補修や損害賠償等を行った事業者に対して、保険金が支払われる制度です。契約時には、住宅事業者が保険に加入しているかどうかを、注文住宅の場合は請負契約書に、建売住宅の場合は売買契約書に記載されることになっています。

事業者が倒産しているなどして補修等を行えない場合、この保険に加入している新築住宅を取得した人は、事業者が加入していた保険法人に対して、補修などにかかる費用を直接請求することができます。

この保険制度は、新築住宅を供給する事業者が加入して保険料を支払うものであり、新築住宅を取得する人が保険料を払う必要はありません。

供託制度とは

供託制度は、新築住宅に瑕疵があった場合、事業者はその補修等を行う責任があります。しかし事業者が倒産しているようなケースでは、この責任を果たすことができません。

そこで、このような事例に備えて、事業者が、法律で定められた額の保証金(現金等)をあらかじめ供託所(法務局など)に預けておく制度があります。

事業者が倒産しているなどして補修等を行えない場合、新築住宅を取得した人は、供託所に対して瑕疵の補修等に必要な金額について、保証金の還付を直接請求することができます。


以上が「住宅瑕疵担保履行法」における「保険制度」と「供託制度」の解説です。これらの制度は、新築住宅の購入者を保護し、住宅の品質を確保するための重要な仕組みです。新築住宅を購入する際は、これらの制度が適切に適用されていることを確認しましょう。