スイス政府がクレディ・スイスの経営陣に賞与取り消しを決定、経営責任を明確化へ

経済ニュース

A: ねえ、クレディ・スイス・グループの経営陣に賞与の取り消しや減額が決まったって聞いた?

B: え、どうして?

A: スイス政府が、UBSによるクレディ・スイスの救済買収に向けた政府保証をしたから、クレディ・スイス側の経営責任を明確にするためだって。

B: なるほど。どのくらいの金額が削減されるんだろう?

A: 最高経営責任者(CEO)などの経営幹部の未払い分の支払いを取り消し、その他の経営層も立場に応じて50%か25%を減額することになっているみたい。全従業員約4万9000人のうち、約1000人が対象で、計5000万~6000万スイスフラン(70億~90億円程度)が削減される見込みだって。

B: そうなんだ。それに、UBSによる買収が完了するまでの変動報酬も同様に支払いの取り消しや減額をするってことだよね?

A: そうそう、すでに支払い済みの分の回収もクレディに検討させることになってるんだ。

B: スイスの銀行法で、国家支援を受けた重要な銀行には報酬に制約を課すことになってるから、そういうことなんだね。

A: そうそう、スイス国立銀行もクレディ・スイスに1000億スイスフランの流動性支援枠を設定し、スイス政府もUBSに対して90億スイスフランの政府保証を与えたんだって。

【まとめ】
まとめると、スイス政府は、UBSによるクレディ・スイスの救済買収に向けて政府保証の支援をしたことで、信用不安を招いたクレディ・スイス側の経営責任を明確にするため、クレディ・スイス・グループの経営陣に対して賞与の取り消しや減額を決定しました。最高経営責任者(CEO)などの経営幹部への未払い分について支払いを取り消し、その他の経営層も立場に応じて50%か25%を減額することで、全従業員約4万9000人のうち約1000人が対象となり、計5000万~6000万スイスフランが削減される見込みです。また、UBSによる買収が完了するまでの変動報酬も同様に支払いの取り消しや減額をすることとなり、すでに支払い済みの分の回収もクレディに検討を要するとされました。スイスの銀行法に基づく措置であり、国家支援を受けた重要な銀行に対しては、連邦内閣が報酬に制約を課すことが定められています。スイス国立銀行も、クレディ・スイスに1000億スイスフランの流動性支援枠を設定し、スイス政府もUBSに対して90億スイスフランの政府保証を与えたことが明らかになっています。